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【ORIX】中嶋野球は仰木マジックじゃない!

スポニチの記事からです。



コメントも紹介されています。


「本当に厳しい人ですよ。特にオレには厳しかった嫌われていると思っていた。1回聞いてみたかったが、亡くなられてね…。見返すという言い方も違うし、答えられないよ。それ以上は聞くなよ」


このコメントをどう解釈したら、「にじみ出たのは当時監督だった仰木彬さんの遺伝子だ」となるのでしょうか。


仰木オリックスが優勝したのは震災の95年と翌96年の日本一でした。


95年の優勝

2位に12ゲーム差をつけての圧勝でした。
正捕手は中嶋聡。101試合に出場し、打率.267。オールスターにも出場し、打てる強肩捕手。阪急ファンだった古田さんが、中嶋聡のいる阪急だけは避けたいと言ったそうな。堂々たる成績でした。


しかし、その年、ファンとしては残念なことがありました。
高卒2年目の平井正史を、リリーフで起用して、15勝5敗27セーブ。凄まじい成績です。低めにバチーンと決めるストレートは、それはすごかった。ロッテのバレンタイン監督がメジャーで間違いなく通用するとコメントしていた記憶があります。
しかし、試合数は53試合、投球回は85.1。


試合数だけ見れば、多いとは言えませんが、実質1年目の投手としては異常でしょう。
それ以上に過酷だったのは回跨ぎを連発していたこと。延長などでは3イニングという記憶もあります。投球回は平均1回2/3投げていることになります。
もともと先発投手として考えていた山田久志コーチが間に入って登板過多を止めようとしたようですが、仰木監督は聞かなかったとされています。当時の時代背景もありますが、ファンの間でも、平井が潰れないか話題になっていました。


最終戦では胴上げ投手になったものの、その頃には変調を来しており、スピードが出ていませんでした。日本シリーズではまったくボールが走らず、見ていてかわいそうなほどでした。ぶっちぎりで首位を走るチームがあれほど2年目を酷使する必要があったでしょうか。今年で言えば、宮城を中4日で回すかそれ以上でしょう。その結果、日本シリーズの2戦目、3戦目の大事な場面でで平井が打たれて日本一を逃したとも感じました。


96年の日本一

96年は中嶋聡は干される状態にみえました。開幕の捕手は三輪隆。さらにはジャイアンツから移籍した高田誠が重宝されます。高田はリード面を買われていたようで、実質的に正捕手は高田でした。優勝時のTV番組でも捕手としては高田が出ていました。
監督が自分が優れていると思う捕手を使うのは当然です。中嶋を使わないことは仕方ない。しかし、長期で見れば中嶋を育てるしかないのは明らかでした。少なくとも、仰木マジックの後継者として育てている使われ方ではありません。


そして平井といえば、前年の登板過多からストレートが戻らず。たった1年で、球界の宝を潰したように見えました。


中嶋監督との違い

仰木監督の采配の本質は、マジックというよりも目先の勝利至上主義です。


1,選手育成
野茂さん、イチローさんとメジャー級の選手を抜擢したことから選手の能力を見抜いて育てる監督のように言われますが、そうした選手に機会を与えたことはすばらしいものの彼らは勝手に育つ選手でしょう。野茂は言うに及ばず、イチローも高卒新人でファームでジュニアオールスターでMVPに、首位打者を獲得した選手です。だれでも注目します。土井監督も何度も一軍で起用していますし、イチローのことは買っているように見えました。そして、彼らはがまんして使う必要もなく、起用すれば、いきなり成績を残しました。


今年の紅林は、昨年までファームでもたいした実績がない選手でした。シーズン終盤に一軍を経験させました。そして、今年は開幕からがまんして使い続けました。300打席の法則ではないですが、投資をすることで徐々に結果が出るようになりました。
宗に至ってはショート失格の1軍半の外野手をサードにコンバートして、異次元の守備をする選手にしました。杉本もファームの帝王で、一軍では扇風機でした。若月、伏見の捕手陣も昨年から再教育して、勝てる捕手に仕上げました。


2,リリーフの起用
仰木さんの投手起用は前述の通りです。それが2014年の森脇監督と高山コーチにも踏襲されました。佐藤達也さんは登板過多で潰れたように見えました。


しかし、中嶋監督は違いました。投手コーチは高山さんのままですから、明らかに監督の方針です。3連投はさせない。現に1度もさせていません。連投すれば、次の日はベンチから外していました。回跨ぎをすれば、基本は翌日は投げさせていません。これは平井投手や鈴木平投手、野村投手を見てきた経験もあると思います。


もはや中嶋監督を仰木さんと比べるのは失礼で、遙かに優れた指導者でしょう。


上田利治さん

以下のインタビューなどでも、入団当時の監督である上田監督から影響をうけたフシがあります。
上田監督が熱い人で、当時のチームには冷めた人はいなかったと証言しています。個人的には、仰木さんが嫌いなわけではありませんが、中嶋監督が仰木さんをよく思っているはずはありません。仰木監督から学んだとすれば、反面教師として。


上田監督時代の野球は面白かったし、25年前の日本一も基礎を作ったのは上田さんだと思っています。仰木マジックの後継者としてではなく、阪急最後の戦士で、今はなき西宮球場でプレーした選手。阪急魂をもった監督として取り上げてほしいと願います。


https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=054-20151221-01